不動産とは、土地、建物、マンションのことを言いますが、
不動産を相続するためには、
不動産の名義を、相続人の名義に変更することが必要です。

不動産は、通常、法務局で登記(登録)されていて、
それぞれの不動産には、所有者も登記(登録)されています。

特に、土地に関して言えば、
日本全国のすべての土地は、
それぞれ、誰かの名義で登記(登録)されているのです。

たとえば、亡くなった人が土地を所有していたのであれば、
その土地の名義は、亡くなった人の名義になっているはすです。

ただ、建物については、
すべての建物が法務局で登記されているわけではなく、
登記されていない建物もあります。

なぜ、登記されていない建物があるのかと言えば、
建物を法務局で登記するのかどうかは、
建物の所有者の自己申請になっているからです。

そのため、亡くなった人の遺産に建物がある場合には、
まず、法務局で登記されている建物かどうかを、
事前に調べる必要があるのです。

もし、登記されている建物であれば、
土地の相続と同じく、
建物の名義を、亡くなった人から相続人に変更する必要があります。

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それでは、遺産相続で不動産を相続する具体的な手順を、
箇条書きにしてみます。

①亡くなった人と相続人全員の戸籍類(相続に必要な戸籍類)を、
役所から集めて、戸籍上の相続人を特定します。

②亡くなった人の不動産の名寄帳と、評価証明を役所から取得します。

③戸籍類によって特定された相続人全員で、
不動産を、誰が、どの位の割合で相続するのかを話し合います。

④話し合った内容で、遺産分割協議書、または、
遺産分割協議証明書を作成し、
相続人全員で署名と実印の押印をして、印鑑証明を添付します。

⑤不動産の名義変更のため、登記申請書を作成して、
上記の相続に必要な戸籍類と、不動産の評価証明書、
遺産分割協議書などを添付して、法務局に提出します。

以上が、不動産の遺産相続の手続きの流れです。

ただ、もし、亡くなった人が、全文自筆の遺言書を残していれば、
上記①の作業(相続に必要な戸籍類の取得作業)を済ませた直後に、
家庭裁判所で、遺言書の検認を受ける必要があります。

そして、亡くなった人の遺言書がある場合には、
基本的に、遺言書の内容通りに相続手続きを進める必要があるため、
上記③と④の作業(遺産分割協議書の作成作業)は必要ありません。

法務局に、遺産分割協議書を提出する代わりに、
亡くなった人の検認済みの遺言書を提出することになるからです。

しかし、不動産の遺産相続手続きでは、
亡くなった人のすべての不動産の評価証明はかならず必要となります。

なぜなら、法務局に不動産の名義変更書類を提出する際に、
不動産の評価額に応じた登録免許税を支払う必要があり、
その税額を計算するためには、不動産の評価証明書が必要だからです。

ちなみに、遺産相続で不動産を相続する時の登録免許税の税額は、
不動産の評価額×1000分の4(0.4%)=登録免許税額(端数処理必要)
と全国一律で決められています。

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